利益とキャッシュの指す意味は異なる!

企業が営業活動により得られた「利益」と「キャッシュ」とでは、表す意味が異なることをご存知でしょうか?企業の経営者ならば誰しも、「利益が出ているのに手元にキャッシュが残らない」と頭を悩ませることが、少なからず数回はあるはずです。

そこでこの記事では、利益とキャッシュの表す意味の違い・利益があるのにキャッシュが残らない理由にスポットを当てて説明していきます。

利益とは?

企業が営業活動によって得られた合計額を「売上」として表します。

しかし、売上が全て利益になるわけではなく、それを作りだすのにかかった経費を引かなければなりません。売上から経費を引いて手元に残った額を「利益」とし、経費が売上より高い場合には赤字になってしまうわけです。

さらに、利益から企業が支払うべき税金を引いて、最終的に手元に残る額を「純利益」と呼んでいます。分かりやすくするために、税引前当期利益(通常の利益)・税引後当期利益(純利益)として区別していることも多いのです。

キャッシュとは?

キャッシュとは、その時点で手元に残されている現金のことを指します。

損益計算書を参照して企業利益が出ていたとしても、手元にお金がないと不安を感じることもあるかもしれません。しかし、お金の回収時期の違いなどで、計算時に手元に残されている現金が少ないということも十分考えられるというのです。

利益とキャッシュが一致しない4つの理由

では、利益が出ているのにキャッシュが残らない理由、すなわち利益とキャッシュが一致しない理由について迫っていきましょう。

単純に経費がかかりすぎて利益にならないという場合もありますが、多くは以下のようなお金の回収時期の違いによるものが多いといいます。まずは以下の項目をチェックしてみましょう。

1, 借入金や買掛金があるから

資金が足りなくなった時に他から借りるお金を「借入金」、代金を後払いで仕入れた場合の後々支払うお金を「買掛金」としています。借入金は一時的に現金が増えたように感じ、買掛金は現金が特に減っていないようにも感じますが、後々キャッシュで支払わなければならないのです。

翌月以降の利益を考えて、計画的に利用する必要があるでしょう。

2, 売掛金の回収時期が若干異なるから

自社企業の売上に対しても、翌月以降に現金回収する「売掛金」という項目があります。手元にあるキャッシュは増えないですが売り上げてはいるため、利益はプラスになっていることが理解できるでしょう。

3, 経費として計算できるものの届けが遅れているため

必要なものを購入して経費として計上できる項目の場合には、しっかり届けを出すことで節税に繋がります。しかしどうしても早急に回収できないという場合も考えられるため、回収時期の違いでキャッシュに食い違いが生じてしまうわけです。

4, 経費として計算できない費用もあるから

経費とはその事業をするのに必要な費用であるため、事業とは関係のない費用は経費として計上できません。また、返済に使用したお金に関しても経費とはなりませんので、注意して認識するようにしてください。

まとめ

企業における利益が出ているのにキャッシュが減らない理由について、理解が深まりましたでしょうか?おそらくこの記事に記載した4つの理由が関連していることがほとんどなので、キャッシュが残らず毎月の事業に負担が生じる場合には、これらについて見直してみてください。

そして、更に利益を出したい場合には、キャッシュフローの見直しを行なってみるのが理想的だといえるでしょう。