利益とキャッシュは別々に考える必要がある

損益計算書は、一企業における一定期間の利益と損益を表にしたものなので、いわゆるキャッシュの具体的な動きまでは見ることができません。

キャッシュとは手元にある現金のことです。会社としては利益をあげていても、売掛債権を回収していないなどで手元に現金がないことも考えられるためです。

黒字なのに倒産するというリスクも理解しておく

そのため、会社としては利益を出していても、その利益が売掛債権のように1~2ヶ月先に入ることも考えられるでしょう。急に会社の売上が上がって、その分現金で別のものを作ろうとしても手元には現金が用意できないという可能性もあります。

結果的に「黒字倒産」といったリスクを招いてしまうリスクも高いというわけです。

タイミングの違いを認識しておこう!

まとめると、月の収益とキャッシュは別物だと考え、現金がどのタイミングで手に入り、今いくら自由に使えるお金があるのかをしっかり管理しておく必要があるということです。売掛債権の現金が入るのは数ヶ月後なので、今現在は自由に経営できない部分もあるかもしれません。

債権回収に関して注意すべき5つのこと

では具体的に、債権回収について「徹底的に管理する」といわれるその内容としては、どのような注意点が挙げられるのでしょうか?

ここでは5つのポイントに関して、分かりやすく説明していきます。

1, 基本的には現金を増加させるのが鉄則だが…

現金があれば良いので、売上をあげて現金で受け取れば、手元にはそのままの金額が来るはずです。しかしよく考えて経営をしたとしても、そうすぐには成果として現れないものです。その場合は支払いを遅らせることができる売掛債権を利用することも視野に入れるべきでしょう。

2, 場合によっては買掛金を増やす

しかし、場合によっては買掛金を増やした方が良い場合もあります。会社が商品を購入して支払いを遅らせて貰うわけですから、その場でキャッシュが減ることはありません。仮に数ヶ月後、大口発注の入金予定があり、その後に買掛金を支払いたい場合などに使用すると良いでしょう。

3, 売掛金を回収できるタイミングを早くする

売掛金は1ヶ月前後、買掛金は2ヶ月前後が回収の目安だと言われています。自社としては確実に早期に回収したい、支払いはなるべく余裕を持ちたいという意味が込められているわけです。

どの程度その通りにいくかは取引先によりますが、なるべく売掛債権の回収タイミングを早く設定するのがポイントなのです。

4, 大きな契約は小分けにして支払いを依頼する

大きな契約が決まってまとめて支払って貰うのも多いですが、商品を作るのにも時間を要することでしょう。そのため、一部を現金で前もって支払って貰うとか、何回かに分けて支払い・納品を提案するのも良い方法だといえます。

5, 会社にある最低在庫数を今一度見直す

会社で使われないのに多くの在庫を抱えている状態だと、現金ではないにせよ、使えない現金と同じことになってしまいます。

今一度在庫の数を見つめ直し、不要な在庫を置かないように管理を徹底しましょう。

まとめ

売掛債権を徹底的に管理するとは、利益と損益だけではなく、キャッシュの出入りのタイミングを理解することが大切だと分かりました。ここに記載したいくつかの注意点を参考に、自社のキャッシュフローの管理を徹底してみてはいかがでしょうか?

この記事を参考に、売掛債権の回収とキャッシュフローの関わりについて、理解が深まるきっかけとなれば嬉しいです。